新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

新日本酒紀行 地域を醸すもの・東京八王子酒造prototype No.330

新日本酒紀行「東京八王子酒造prototype」
酒蔵外観 Photo by Tokyo Hachioji shuzo

新日本酒紀行 地域を醸すもの・
東京八王子酒造 prototype No.330

東京都八王子市

東京で10番目の都市型酒蔵が挑む、
新たな日本酒の未来像』

東京で10番目となる酒蔵が、2023年にJR八王子駅から徒歩5分の料亭内に誕生した。
その昔、甲州街道の宿場町として栄えた八王子は、織物産業で興隆。花街が生まれ、芸妓さんは200人というにぎわいを見せた。

その面影を残す中町の黒塀通りに面した料亭すゞ香の厨房を改装し、開業したのが東京八王子酒造だ。手掛けたのは八王子で生まれ育った西仲鎌司さん。酒類販売を営む家に生まれ「いつかは少量でも、自ら手掛けた酒を売りたい」と願い続けた。

「昔の八王子は米どころで、最盛期には酒蔵が20軒以上もありました。東京五輪の開催までに酒蔵を造り、八王子で酒を飲んでもらいたい」と、13年に地元産米で醸す地酒蔵を計画。
酒造りは米作りからと、農家を紹介してもらい酒米作りもスタート。田んぼに囲まれた田園酒蔵を設計したが、竣工直前にコロナ禍が襲う。五輪の開催は延期になり、酒を取り巻く状況も一変。計画は白紙に戻る。

そこで閃いたのが、繁華街で四季醸造する都市型の酒蔵だ。厨房の面積は38平方メートルと狭かったが、コンパクトな醸造機械に滑車を付けて移動可能にし、麹室も設置。
徹底した少量仕込みで、常にフレッシュな酒を提供。醸造場には窓を設け、料亭で食事をした人は見学も可。
併設したショップで酒を買うと、その場で出来たての酒を瓶に詰めてくれる。果実を思わせる酸味と甘味が調和するクリアな味わいはインバウンドも大喜び。
新たな日本酒の未来像が八王子から始まった。

新日本酒紀行「東京八王子酒造prototype」
↑「東京八王子酒造 prototype」
●東京八王子酒造●東京八王子市中町1 0 – 9
●代表銘柄:東京八王子酒造prototype
●杜氏:磯崎邦宏 ●主要な米の品種:東京都産米使用
新日本酒紀行「東京八王子酒造prototype」
JR八王子駅から徒歩5分にある酒蔵 Photo by Tokyo Hachioji shuzo
新日本酒紀行「東京八王子酒造prototype」
軒先には酒林 Photo by Yohko Yamamoto
新日本酒紀行「東京八王子酒造prototype」
料亭すゞ香の玄関 Photo by Yohko Yamamoto