新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

新日本酒紀行 地域を醸すもの・SAKE×AWAMORI 267

https://diamond.jp/articles/-/307131

日本酒と泡盛!? 前代未聞のコラボレーション★

新日本酒紀行 地域を醸すもの「SAKE×AWAMORI」

福井県福井市、沖縄県那覇市

山本洋子:酒食ジャーナリスト  

日本酒紀行

『米の醸造と蒸留、福井と沖縄を結び、
伝統に新風を吹き込む』

(本文)

 日本酒には大きく分けて2系統ある。米と米麹だけで醸す純米系と、醸造アルコールの添加系だ。

  添加する理由には、香りや味の向上や、火落菌の繁殖防止などがあり、日本酒全体の約8割は添加系が占める。

 福井市の田嶋酒造の蔵元杜氏、田嶋雄二郎さんは、添加アルコールの原料が海外産で米以外であることに課題を感じていた。

  ふと、「米が原料の泡盛では?」とひらめき、東京農業大学の研究室で共に学んだ泡盛製造家の仲里彬さんに相談。「添加酒のイメージを変えたい!」と伝えると、即「やりましょう!」と話は進んだ。

 仲里さんは日本酒に合う泡盛を、米や造り方違いで5種類送り、その中から田嶋さんが選んだのは「尚(しょう)」。泡盛の製造技術者たちが次世代の泡盛を目指し、2019年に誕生した共通ブランドだ。

 通常1回の蒸留を3回行い、クリーンでフルーティーな香りが特徴。

「日本酒に入れる可能性も考えていたので、依頼が来て嬉しい!」と仲里さん。

 田嶋さんは、福井県産の五百万石を50%まで磨き、酵母は大学の研究室が開発したさくら酵母を使用。

 2月の仕込み時には仲里さんが福井へ行き、蔵で味を確認し合った。

  「日本酒に泡盛が寄り添い、甘味がイチゴのよう」(仲里さん)。

 酒名はズバリ、SAKE×AWAMORI(さけかけるあわもり)。
ラベルには2人のサインを入れ、福井は黒、沖縄は青い瓶で販売する。

  次の仕込みは設計を変えて挑むと意気込む。

 米の醸造と蒸留、福井と沖縄を結び、伝統に新風を吹き込む。

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↑『 SAKE × AWAMORI 』

田嶋酒造・福井県福井市桃園1-3-10
●杜氏:田嶋雄二郎
●米の品種:五百万石
●添加用泡盛:尚 MIZUHO *沖縄県での販売はOneSpirit 那覇市首里末吉町 4-5-15(瑞穂酒造内)。限定品のため問い合わせを。TEL 098-885-0121 MAIL akira@onespirit.jp

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【写真】米を蒸す、麹室、麹菌を振る

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米を蒸す Photo:Tajimasyuzou

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麹室は珍しい2つ扉。 Photo:Yohko Yamamoto

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麹菌を振る Photo:Tajimasyuzou

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麹菌を振る(Tシャツは東京農業大学!) Photo:Tajimasyuzou

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【写真】泡盛を加えたもろみに櫂を入れる、もろみ、7代目で杜氏の田嶋雄二郎さんとOneSpiritの仲里彬さん

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泡盛を加えたもろみに櫂を入れる Photo:Tajimasyuzou

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元気に発酵する15日目のもろみ Photo:Tajimasyuzou