新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

週刊ダイヤモンド 新日本酒紀行 地域を醸すもの・鳳凰美田 NO.182

美田がBIDENと読まれて、話題沸騰中!?の鳳凰美田さんを取材しました。その記事がダイヤモンドオンラインでUP!

週刊ダイヤモンド 2020年 11/7号

新日本酒紀行 地域を醸すもの 栃木県小山市「鳳凰美田」

山本洋子:酒食ジャーナリスト

 

『栃木発、世界を目指す美酒を極める』

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↑1トン仕込みに特化したサーマルタンクが40本も並ぶ
Photo by Yohko Yamamoto

(本文より)

 フレッシュ感があり、マスカットを思わせる爽やかな日本酒、それが小林酒造が醸す鳳凰美田だ。日本酒嫌いを次々と目覚めさせた鮮烈なデビューから30年近くがたつ。

 創業は1872年。5代目の小林正樹さんが蔵に入った頃から、売り上げは減少。廃業も考えたとき、妻となる麻由美さんと出会う。

 岩手県工業技術センターの研究員として活躍中の麻由美さんを見て「運命の人!」と直感したという正樹さん。「この人と結婚しないと蔵がつぶれると思いました(笑)」

↑小林正樹さんと運命の人、麻由美さん💛 

今の鳳凰美田を見て思います、酒造りできるお嫁さんは最強です!!!

 前杜氏が辞めるタイミングで麻由美さんが入社し、醸造責任者に。

 新しく立ち上げたブランド名は鳳凰美田。美田とは小山市へ編入する前の地名、美田(みた)村に由来。1級河川の思川が流れ、地下水が潤沢、上質な米の産地としても名高い土地だ。

 2人は米を磨き、低温で長期発酵させる吟醸造りを徹底。槽で優しく搾り、瓶燗火入れ後の低温熟成など手間を惜しみなくかけた。

 酒米にもこだわり、兵庫県西脇市の特A地区山田錦、富山県南砺市の五百万石、岡山県の雄町など選び抜いて個性を磨いた。

 近年は、栃木県が開発した酒米、夢ささらの有機栽培特上米を使い、仕込み水に日光二荒山神社の霊水で醸した純米大吟醸「水分神」を発表。

 中禅寺湖畔に開業したホテル、ザ・リッツ・カールトン日光のダイニングで提供される。

 さらに手狭になった本社蔵とは別にリキュール蔵を新築。
来年はその隣に日本酒の新蔵も稼働する予定だ。

 栃木発、世界の美酒を極める。

代表銘柄「鳳凰美田 純米吟醸」

 

【DATA】小林酒造・栃木県小山市卒島743-1●代表銘柄:鳳凰美田 純米大吟醸 赤判、同 純米大吟醸 山田錦 磨き50、同 剣 辛口純米●杜氏:社員杜氏●主要な米の品種:山田錦、五百万石、愛山、雄町、夢ささら

「夢ささら」で醸した「美田鶴」は生酛造り

 

ダイヤモンドオンライン 鳳凰美田