新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

新日本酒紀行 地域を醸すもの・雨降 223

 

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霧に煙る雨降山 Photo:Kikkawajozo

 

週刊ダイヤモンド 2021年 9/4号の 『新日本酒紀行 地域を醸すもの』では

神奈川県伊勢原市  吉川醸造 「雨降」AFURI を紹介しています!

 

山本洋子:酒食ジャーナリスト

新日本酒紀行

 

『雨降の地で再出発!

硬水で醸す新発想の個性酒』

Photo:Kikkawajozo

 

(本文より)

丹沢山塊の大山の別名、雨降山は雨が降りやすい山相からで、雨降転じて阿夫利山とも呼ばれ山頂には大山阿夫利神社が鎮座する。

縄文時代から霊山として信仰を集め、雨乞いの山として名高い。大量の雨は山の地層をくぐり抜け、地下伏流水となって麓を潤す。その水で酒を醸すのが、神社と同じ伊勢原市の吉川醸造だ。

 1912年に創業したが、2020年に、精米業で創業したシマダグループに移り再出発。
社長は1級建築士の合頭義理さん、常務に高齢者施設の統括管理者の二宮慎介さんが抜擢された。建物を通じて人を幸せにする仕事から、日本酒へ。杜氏は水野雅則さんが引き続き担う。新旧のチームワークで新ブランドの酒質や製造、設備計画を練った。

 銘柄は酒の根源となる雨降山から「雨降(あふり)AFURI」とし、文字は大山阿夫利神社の神主に揮毫してもらった。

 酒の楽しみ方を広げることを目指し、雨降山のかすみをイメージした微発泡酒や、90%精米でフルーティーな低アルコール酒、炭酸水で割ってもロックでもよい凜とした酒など、個性豊かに考案。
「硬度150の硬水は酵母のわきが良く、健全に発酵します」と水野さん。
上質な酒米、贅沢な麹、力強い酵母を育成した初年度の酒は、IWCなど海外の鑑評会で優秀賞を受賞した。

この夏、古い蔵の大規模工事を行い、設備を一新する。
「いつか状況が変わる時が来る」と15年間、逆境の中でも酒造りを諦めなかった水野さんは「燃えています!」と満面の笑み。
今秋、2年目の酒造りが始まる。

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 ↑「雨降 純米 山廃仕込」

吉川醸造・神奈川県伊勢原市神戸681
●代表銘柄:雨降 純米大吟醸 成、雨降 純米吟醸、雨降 純米 かすみさけ、しぼりたて生原酒
●杜氏:水野雅則
●主要な米の品種:雄町、山田錦、美山錦、若水

●blog → https://kikkawa-jozo.com/blogs/blog

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【写真】麹は木の箱で造る

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大山阿夫利神社下社 Photo by Yohko Yamamoto

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左から杜氏の水野雅則さん、社長の合頭義理さん、常務の二宮慎介さん Photo by Y.Y.

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塗り直した壁の前にタンク6本が並ぶ予定 Photo by Y.Y.

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麹は木の箱で造る Photo by Y.Y.