新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

新日本酒紀行 地域を醸すもの・平和どぶろく265

ビルは木造ハイブリッド構造
木造ハイブリッド構造(木造+SRC造)のビルKITOKI 
ビルは木造ハイブリッド構造
Photo by Yohko Yamamoto

『米の酒が持つクラフトマンシップの魂を
日本橋兜町から発信!』

(本文)

 銀行発祥の地で、東京証券取引所と共に発展した金融の街、東京・日本橋兜町。2009年に株が電子取引化されると、証券会社は引越し、激減する。現在は再開発により、感度の高いホテルやカフェが集う街に進化中だ。

 今年の6月に木造ハイブリッド構造で建造されたビル、KITOKI(キトキ)が完成し、醸造と提供を行うブルワリーパブスタイルの平和どぶろく兜町醸造所がオープン。

 手掛けたのは、日本酒「紀土(きっど)」やリキュール、クラフトビールを醸す和歌山県の平和酒造

「米の酒をもっとカジュアルに楽しんでほしい」と4代目の山本典正さんが英断した。「どぶろくは日本酒の原点で庶民の酒。明治時代に製造が禁止され、清酒とは生き別れの兄弟のように」。

 醸造室は4坪の狭小スペースで、仕込み水は酒蔵から輸送。和歌山県産米のにこまるを90%精米で使う。1回に仕込む量はわずか7リットル!

 この少量仕込みを生かし、実験的などぶろくを試みる。

 小豆や黒米、雑穀などの多彩な副原料を加えてバリエーション豊かに、フレッシュな生どぶろくを提供。

「昔は米が貴重で、畑で取れた豆や雑穀も入れたはず。それを現代の日本酒の技術でどぶろくに」と山本さん。

 カウンターに立つのは杜氏や蔵人たち。「醸造を感じられる場にしたい。どぶろくは間違いなく、米の酒への入り口になってくれるお酒です」。

 最終的には日本酒へ誘導したいと期待を込める。

 世界に誇れる米の酒、そのクラフトマンシップの魂を日本橋兜町から発信する。

平和どぶろく平和どぶろく

●平和どぶろく兜町醸造所・東京都中央区日本橋兜町8番11号 KITOKI
●代表銘柄:平和どぶろく、平和どぶろくprototype、1年熟成どぶろく
●杜氏:柴田英道

●主要な米の品種:にこまる

店内。奥が醸造室
店内。奥が醸造室 Photo by Y.Y.
杉材が多用される
杉材が多用される Photo by Y.Y.
麹
麹 Photo by Y.Y.
もろみは冷蔵庫で管理
もろみは冷蔵庫で管理 Photo by Y.Y.
平和酒造の山本典正さん
平和酒造の山本典正さん Photo by Y.Y.
1回の仕込みは7リットル
1回の仕込みは7リットル Photo by Y.Y.
醸造室入り口
醸造室入り口 Photo by Y.Y.
杜氏の柴田英道さん
杜氏の柴田英道さん Photo by Y.Y.
どぶろく
どぶろく Photo by Y.Y.
小豆のどぶろく
小豆のどぶろく Photo by Y.Y.
ごま豆腐は手作り。郷土の酒肴を揃える
ごま豆腐は手作り。郷土の酒肴を揃える Photo by Y.Y.
日本酒にホップを融合させた「フュージョンサケ」
日本酒にホップを融合させた「フュージョンサケ」不思議な魅力!Photo by Y.Y.
自社醸造の生ビールも提供自社醸造の生ビールも提供する Photo by Y.Y.
自社醸造の生ビールも提供
自社醸造の生ビールは期間限定品も多い Photo by Y.Y.
自社田産山田錦の純米酒
自社田産山田錦の純米酒「あがらの田で育てた山田錦低精米八十%」
Photo by Y.Y.
購入も可どぶろく、日本酒、クラフトビールは購入も可 Photo by Y.Y.

週刊ダイヤモンド 22年7月16日・23日合併特大号より転載