![有機農産物生産圃場](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/6/4/1080m/img_64aa15fda61f29d61526f469faa790d6668878.jpg)
↑天鷹酒造の有機農産物生産圃場 Photo by Yohko Yamamoto
『有機米で金賞受賞の蔵が目指す、
おいしい、安心、楽しい酒!』
栃木県大田原市の天鷹酒造は、地元消費8割の地酒蔵。蔵元の尾﨑宗範さんは、安心・安全な酒造りを目指し、2000年に有機JAS法が制定されると勉強を開始した。
有機栽培米は収量が少なく、有機加工場の認証は難易度が高いが、挑戦を決意。05年から、当時の杜氏、直町昊悦(すぐまち・こうえつ)さんと有機の酒造りに邁進する。
いざ始めてみると、蔵の限界も見えてきた。古い土蔵の酒蔵は水洗いできず、消毒には薬品が必要で、衛生区域も分割できない。だが、建て替えには莫大な費用がかかり、それが悩みの種に。
大きな転機は、11年3月11日に発生した東日本大震災だった。
激しい揺れでタンク内のもろみは天井まで跳ね上がり、壁は崩落。
「酒造りがしたいと心の底から思って」宗範さんは大決断する。
貯蔵庫と仕込み蔵を取り壊し、新造した。平屋で床はフラットに設計。フォークリフトを活用すれば、重たいタンクも楽々移動できる。力仕事は機械化し、女性が活躍できる酒蔵になった。
季節雇用を廃止して、地元の正社員に体制をシフト。14年に米国、欧州の有機認証を取得し輸出を伸ばす。
17年に全国新酒鑑評会で、会史上初となる有機の酒が金賞を受賞。18年には念願の天鷹オーガニックファームを設立した。地元産の梅を使った梅酒や、蜂蜜を発酵させた酒も開発して新規の客を増やす。
21年に長男の俊介さんが入社、父子“天”鷹の蔵に。モットーの「おいしい、安心、楽しい酒造り」でさらなる先を目指す。
代表作の「有機純米酒 天鷹」
●天鷹酒造・栃木県大田原市蛭畑2166
●代表銘柄:有機純米大吟醸 天鷹、有機純米吟醸 天鷹、純米大吟醸 天鷹心、辛口特別純米 天鷹
●杜氏:大宮金充
●主要な米の品種:五百万石、山田錦、あさひの夢
![有機農産物生産圃場](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/9/b/1080m/img_9bc4124229e94bd707a0c894db4c151a585177.jpg)
有機農産物生産圃場 Photo by Y.Y.
![除草](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/b/9/1080m/img_b92769693f0f664a416c5a0dcb018e52627553.jpg)
![稲刈り](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/4/5/1080m/img_4505267148544cbdd07190a2774467812028473.jpg)
![稲刈り](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/2/1/1080m/img_21e6b5d09df6f21cc7acd282dfde689a305098.jpg)
稲刈り時には鳥もいっぱい Photo:Tentakasyuzo
![蔵の壁は呼吸する火山灰土の土壁に](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/7/7/1080m/img_7777df7d71478303b00edca7f70c3000360897.jpg)
![蔵の壁は呼吸する火山灰土の土壁に](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/0/f/1080m/img_0f2489d6fccaf6be699b81200c9196da471237.jpg)
火山灰土の土壁 Photo by Y.Y.
蔵外観 Photo by Y.Y.