新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

新日本酒紀行 地域を醸すもの・阿武の鶴 三好218

週刊ダイヤモンド 2021年 7/24号 『新日本酒紀行 地域を醸すもの』では、山口県阿武郡阿武町の「阿武の鶴 三好」を紹介しています!

🌾6代目三好隆太郎さんは酒蔵に生まれたものの休蔵した為、酒造りを見ずに育ちます。その隆太郎さんが酒造りを目指して悪戦苦闘。「東洋美人」醸造元の澄川酒造場の澄川宜史さんの応援を受け、地元の酒米農家とも連携し、日本海を望む木与の棚田の山田錦で酒を醸しています。そのお酒が「GI萩」に認定も✨ 

↑GI萩の底力🌾ブランド力の強化を図り、日本一の地酒の産地を目指す『萩酒米みがき』もチェック 

↑萩酒米みがき協同組合

山本洋子:酒食ジャーナリストライフ・社会 新日本酒紀行

https://diamond.jp/articles/-/276752

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↑日本海を望む木与の棚田の山田錦を全量買い取り、酒に醸す Photo:Abunotsurusyuzou

港の酒蔵復活!

町内の棚田米で醸す山田錦の純米酒

山口県阿武郡阿武町

(本文より)

 日本海を望む山口県阿武町木与地区の棚田で育つ山田錦で酒造りするのが阿武の鶴酒造だ。

 創業は1897年、奈古港まで100mという海の近くに蔵は立つ。
祖先は交易船を持ち、酒蔵も経営。後に酒蔵を専業にしたが売り上げが減少し、1983年に酒造りをやめた。

 その年に生まれたのが6代目の三好隆太郎さんだ。

 酒蔵に生まれたが酒造りは見ずに育つ。東京の大学を出て店舗デザインの仕事に就くが、物作りがしたくなり、偶然見つけた千葉の酒蔵の求人に応募。

 酒造りの楽しさを覚え、翌年は埼玉、そして岐阜、青森の蔵で毎冬、働いた。

 それを見た父から、実家の蔵にはないと思っていた酒造免許の存在を知らされ、喜び勇んで2014年に帰郷。

 だが酒造設備がなく、銀行へ融資を頼むが実績がないと断られる。

 途方に暮れた隆太郎さんに声を掛けたのが、澄川酒造場の澄川宜史さんだ。「私の蔵で酒を造り、実績を積めばよい」と、酒造りを教わりながら設備を借り、売り先も紹介してもらうと少しずつ酒が売れ、融資が下りた。

 17年、34年ぶりに酒造りが再開。

 冷蔵室とボイラーは新調し、洗米機と槽は他蔵からもらった。

 高品質を目指し、仕込み、搾り、貯蔵、瓶詰めの作業は冷蔵室で行う。味の劣化につながるポンプは極力使わないなど工夫を重ねる。

 銘柄は自分の名字から「三好」と命名。

 酒造りに大事な米・麹・水の三の意味も込めた。

 今年制定されたGI(※)萩に、棚田の農家と連携した隆太郎さんの酒も認定され、町を醸す酒へと突き進む。

 ※GI … Geographical Indication(地理的表示)

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↑『阿武の鶴 三好 Green 純米吟醸 無濾過生詰』

阿武の鶴酒造・山口県阿武郡阿武町奈古2796
●代表銘柄:阿武の鶴 三好 White 純米吟醸、阿武の鶴 三好 Black 純米吟醸、阿武の鶴 58 純米酒
●杜氏:三好隆太郎  ●主要な米の品種:山田錦

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【写真】蔵は築100年以上

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蔵は築100年以上 Photo by Yohko Yamamoto

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蔵は築100年以上 Photo by Y.Y.

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蔵は築100年以上 Photo by Y.Y.