新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

新日本酒紀行 地域を醸すもの・盛升219

週刊ダイヤモンド 2021年 7/31号 では、日本酒、焼酎、ビール、ジン、みりんまで、なんでも醸す酒蔵! 黄金井酒造さんを紹介。地場産原料で地域を潤す酒造りに励んでいます。

新日本酒紀行 地域を醸すもの

「盛升」SAKARIMASU

山本洋子:酒食ジャーナリスト ライフ・社会 新日本酒紀行

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↑ 醸造長の飯塚栄治さん Photo by Yohko Yamamoto

『日本酒、焼酎、ビールにジン!

 地場産原料で地域を潤す酒造り』

 神奈川県厚木市七沢

(本文より)

 丹沢山と大山の麓にある黄金井酒造は、初代が水の良さにほれ込み、1818年に創業。

「神奈川では珍しい軟水で、酒造りに好適」と醸造長の飯塚栄治さん。

  2021年の全国新酒鑑評会で神奈川県唯一、金賞を受賞した。

  飯塚さんは1997年に入社し、当時の越後杜氏に酒造りを教わり、2002年に醸造長に就任。大吟醸、山廃、白麹、ワイン酵母、ダム貯蔵などに挑み、焼酎は粕取り・芋・米焼酎、厚木産の果物でリキュールも。またクラフトビールに、近年はクラフトジン、どぶろくも造る。さらに今年から厚木産のもち米を使い本みりんを発売した。

  8代目の黄金井康巳さんは、日本酒造組合中央会の評議員と神奈川県酒造組合の会長、全国地ビール醸造者協議会の相談役を兼任し、医師でもある。「アイディアマンで新しもの好き」と飯塚さん。

  代々、蔵元は酒造業界に貢献し、5代目の為造さんは衆議院議員を経て、1929年に日本酒造組合中央会を設立し初代会長に。

  酒税が国税収入の1位を保った時代、造石税の課税を木桶貯蔵で自然欠減した分だけ減免するよう政府に要求し、全国の酒蔵から感謝された。

「自分は酒屋を造る酒屋だ」と公言。

  その意思を継ぐ康巳さんは、産地振興につながる酒を考える。厚木産の桃、米、芋、かぼすを原料に、ジンには県産の杉や檜など。新商品を次々出すが既存商品とかぶらないため売り上げ増に。

「厚木産のブドウが入ったら、ワインも!?」と飯塚さんは笑う。

果敢に攻めて、地域を潤す。

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↑盛升 特別純米

黄金井酒造・神奈川県厚木市七沢769
●代表銘柄:盛升 大吟醸、盛升 純米吟醸、盛升 山廃純米、盛升 伝四郎、宮ヶ瀬ダム貯蔵酒
●醸造長:飯塚栄治
●主要な米の品種:美山錦、山田錦、五百万石、はるみ

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【写真】明治築の旧蔵・新蔵、麹室、仕込み蔵、吟醸室、神棚

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明治築の旧蔵 Photo by Y.Y.

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昭和築の新蔵の釜場は連続式蒸米機を設置 Photo by Y.Y.

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麹室。吟醸酒は麹箱で麹を造る Photo by Y.Y.

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麹室。吟醸酒は麹箱で麹を造る Photo:Koganeishuzou

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仕込み蔵。特注のサーマルタンク Photo by Y.Y.

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櫂入れ Photo:Koganeishuzou

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吟醸室 Photo by Y.Y.

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神棚 Photo by Y.Y

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【写真】ビール蔵、粕取り焼酎用・米や芋用の蒸留機、木造の売店