醸造場は入間川河川敷の上!(元はコンビニ)
自然豊かな土地で、どぶろく造りに情熱を注ぐ若林福成さん。米の粒感ありのアルコール度数6度は、爽やかでぐいぐい飲めます。賞味期限すぎると米粒が柔らかに変身するので2本買って飲み比べるのがおすすめ。
ライブ感あるどぶろくの味が実感できます!
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週刊ダイヤモンド 2021年 9/18号 新日本酒紀行 地域を醸すもの
埼玉県飯能市赤沢 「やまねのどぶろく」
『地元の木と米で醸したどぶろくが、
自然環境を守り未来につなぐ』
↑蔵元の若林福成さん。1991年生まれ Photo by Yohko Yamamoto
(本文より)
天然記念物のヤマネは日本列島で500万年前から生息し、哺乳類の中で最古参、生きる化石と呼ばれる。その名を冠したどぶろく醸造所が、ヤマネが生息する埼玉県飯能市にあるやまね酒造だ。
「酒は環境や風土が醸し、自然と生物多様性を守る」と、初代蔵元の若林福成さん。
高校生のとき、酒のラベル製作に関わり興味を持った。調べるうちに「地域の活性化は日本酒造りにある」と、担い手になるべく勉強し、酒造りに共感した秋田の新政酒造で修業するなど、様々な経験を積んだ。
徒歩1時間以内に30種類以上の哺乳類が生息する土地で酒造りをしたいと、北海道から九州まで探し歩いた。
縁あって、環境省の「生物多様性保全上重要な里地里山」に認定された飯能にたどり着く。
建物は元コンビニで、背後は入間川河川敷と自然豊かだ。税務署と折衝を重ね、その他の醸造酒免許を取得。
米は埼玉県産を、酒造道具には地元の西川材を用いた。麹箱、蒸籠、櫂棒は地元工房の木楽里(きらり)に、木桶は香川県小豆島の木桶職人の坂口直人さんに依頼し伐採にも立ち会ってもらう。木は森と人がつながり、微生物がよく働き、複雑な味を生む。
今年の7月からどぶろくの製造を始め、同時に自然を楽しむエコツアーも企画。野鳥や昆虫、水生生物を観察した後に、酒蔵見学という流れだ。
「自然界の多彩な微生物が共生してどぶろくになり、環境を守る」。
夢は、ヤマネが好きなアケビの実などから酵母を採取して酒を造ることだ。
↑「やまねのどぶろく」
●やまね酒造 赤沢醸造所・埼玉県飯能市赤沢223
●代表銘柄:やまねのどぶろく、氷やまねのどぶろく
●杜氏:社内 ●主要な米の品種:彩のかがやき、彩のきずな
蔵の裏は入間川河川敷 Photo by Y.Y.
蔵の前。西川材の酒造道具を展示 Photo by Y.Y.
蔵の前。西川材の酒造道具を展示 Photo by Y.Y.
伐採現場 Photo:yamaneshuzo