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新日本酒紀行 地域を醸すもの・琥珀浄酎231

 

新日本酒紀行 地域を醸すもの「琥珀浄酎」

広島県呉市三角島

山本洋子:酒食ジャーナリスト 新日本酒紀行

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↑神石高原町で有機農法を行うタナベファーム田邊真三さん Photo by Yohko Yamamoto

週刊ダイヤモンド 2021年 10/30号

広島の離島と高原から世界へ!
日本酒を「浄溜」した熟成和酒

(本文より)

世界唯一の「琥珀浄酎」は、純米酒を40度以下の低温で「浄溜」する。アルコール度数は41度で、レモンで香りづけした後、木樽で熟成させる。ウイスキーのような香ばしい風味と日本酒由来のまろやかさ、爽やかさが特徴だ。

構想したのはナオライの三宅紘一郎さん。
20代の数年間、中国・上海で日本酒を販売した際、劣化しやすい日本酒は輸出に不向きと痛感し、起業。拠点は人口21人の離島、三角(みかど)島で、レモンの自然栽培も行う。

日本酒は醸造だけでアルコール度数を上げるが、焼酎はもろみを蒸留することで高いアルコールを造る。

日本酒の風味が残せる生産方法を模索し、機械メーカーと共同で特許を取得。
県内の神石高原町(じんせきこうげんちょう)の酒蔵の一角を借り、本格的な生産酒蔵を設けた。原料米は同町で有機農業を営むタナベファームに依頼。

代表の田邊真三さんいわく、「有機栽培すると稲に菌が増える。酒の酵母や菌との相互作用で酒は一層うまくなる」。

酒造りは提携する県内四つの酒蔵に、精米90%で純米酒を委託。「この連携モデルを全国に広めたい」と三宅さん。地域の特色を掛け合わせることで魅力が高まる。

積極的に島に人を招き体験してもらうと、価値観を共有した若者が集まった。三角島への渡り口、大崎下島は北前船の寄港地として栄えた島で、ここで仲間と社団法人まめなを立ち上げた。空き家を改装し、宿やカフェ、訪問介護業など事業が広がる。

「浄酎」から始まった自然環境と未来をつなぐ連携、全国展開を目指す。

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琥珀浄酎』アメリカンホワイトオーク樽熟成

ナオライ・広島県呉市豊町久比3960三角島●代表銘柄:浄酎 白紙垂、浄酎 銀紙垂(タナベファーム米)、浄酎 金紙垂●生産責任者:三宅紘一郎●主要な米の品種:コシヒカリ、つきあかり

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【写真】稲穂が実る田んぼ、大崎下島の自然栽培のレモン畑

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稲の品種はつきあかり Photo by Y.Y.

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稲の品種はつきあかり Photo by Y.Y.