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新日本酒紀行 地域を醸すもの・来福 250

 

週刊ダイヤモンド 2022年 3/19号 連載「新日本酒紀行  地域を醸すもの」は茨城県筑西市の酒蔵・来福酒造の「来福」を紹介しています!

米28種と酵母20種を使い分け、毎年60種類以上の酒を造る茨城県筑西市の来福酒造。
「試したい米は即、仕込みます」と10代目の藤村俊文さん。モットーは即断即決だ。農家や飲食店からリクエストがあれば小仕込みでも対応するフットワークの良さ。地元の梅、栗、芋、ブドウなどで、ワインや果実酒、焼酎、ジンも製造し、6次産業化の商品も手伝う。酒の力で地域を楽しく面白く!

新日本酒紀行  地域を醸すもの 茨城県筑西市

「来福」RAIFUKU

山本洋子:酒食ジャーナリスト ライフ・社会 新日本酒紀行

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↑ 1716年に酒造を開始した老舗酒蔵。

蔵入り口

↑明治期に築造された蔵  Photo by Yohko Yamamoto

『花酵母の酒が95%!酒の力で地域を楽しく面白く』

 米28種と酵母20種を使い分け、毎年60種類以上の酒を造る茨城県筑西市の来福酒造

「試したい米は即、仕込みます」と10代目の藤村俊文さん。モットーは即断即決。農家や飲食店からリクエストがあれば小仕込みでも対応する。

 最盛期は4500石を醸造したが、俊文さんが東京農業大学を卒業後、1997年に入社した時は製造量が半分以下に減り、ほとんどが葬式用の普通酒。これからは品質で勝負と、自ら杜氏になり酒質向上を図る。大容量のタンクを廃棄し、小容量で丁寧に仕込み、他の蔵で不要の醸造設備があれば飛んで行って譲り受けた。

 今、95%が花酵母の酒だ。先代の父が「うちの酒には香りがない」と悩んでいたため、学生時代から酵母を研究。卒業論文のテーマも酵母で、後に花酵母を生んだ中田久保先生から面白がられ、花酵母を優先的に使わせてもらう。

 2004年、ナデシコ酵母の酒が全国新酒鑑評会で金賞を受賞し、以後、酵母を究め続ける。

 08年に生酛山廃系の酒造りを得意とする佐藤明さんを杜氏に招き、二人三脚で酒造りを行う。遠心分離機やスパークリング酒製造機など最先端の設備も揃え、特色ある酒を開発。

 茨城県の酒米ひたち錦では硬い性質を生かし、超辛口の酒や8%精米の酒を醸して高評価。酒米愛山の「来福」は「愛と福が山ほど来る」と結婚式の人気酒に。

 地元の梅、栗、芋、ブドウなどで、ワインや果実酒、焼酎、ジンも製造し、6次産業化の商品も手伝う。

 即断即決、酒の力で地域を楽しく面白く。

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↑『来福 純米生原酒 さくら』桜酵母使用🌸

来福酒造・茨城県筑西市村田1626
●代表銘柄:来福 純米大吟醸超精米、来福 純米吟醸 超辛口、来福 純米吟醸 愛山、Sparkling Raifuku
●杜氏:佐藤明 ●主要な米の品種:ひたち錦、愛山、山田錦、五百万石

 

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【写真】明治期に建てられた蔵

 

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明治期に建てられた木造の蔵。天井が高い。Photo by Y.Y.

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震度6強の東日本大震災で、れんが造りの煙突が低くなった。 Photo by Y.Y.

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全量自家精米を行う。 Photo by Y.Y.

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品質の良い茨城米も使い、全量自家精米する。 Photo by Y.Y.

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【写真】最新型こしき、麹室