新日本酒紀行 地域を醸すもの 日本酒

新日本酒紀行 地域を醸すもの・白鴻 NO.300

新日本酒紀行 地域を醸すもの
広島県呉市安浦町

「白鴻」HAKKO

新日本酒紀行「白鴻」
7代目の盛川知則さん(左)と弟で杜氏の元晴さん Photo by Morikawasyuzo

『瀬戸内海の魚介と相性抜群!
極軟水仕込みで切れの良い純米酒』

(本文)

 白い大きな鳥が大望を抱いて大空に舞い上がる、そんな気骨ある酒を目指した「白鴻」は、瀬戸内海に近い盛川酒造の定番酒。

  「瀬戸内の魚介に合う酒」と7代目の盛川知則さん。
霊山野呂山の麓、野呂川が流れる自然豊かな里山で、1887年に創業した。

  知則さんは、日本文化を海外へ発信したいと学生時代に英語を習得。就職先の神戸風月堂では英語での接客を評価され、海外出店1号ハワイ店の立ち上げに抜擢された。

  その後、地質調査の会社に転職し、28歳のとき、父親が58歳で余命3カ月と宣告を受けた。覚悟を決めて蔵を継ぐが、製造量の9割を大手に納品する下請けで、年々注文が激減。

 自社ブランドの確立が急務になる。また、高齢化した杜氏の後継をどうするか悩んだとき、弟の元晴さんがパン職人を辞して蔵に入社。その後、兄は営業で飛び回り、弟は杜氏として酒質向上に励む。

 創業以来の信条は「食事と楽しめる酒」だ。

 極軟水の仕込み水は発酵しづらいが、広島杜氏伝統の軟水醸造法で、苦心して丁寧に醸すと、切れよくすいすいと杯が進む酒に仕上がった。
醪(もろみ)に甘酒を加えた四段仕込みの純米酒も商品化。冷酒から熱燗まで楽しめ、お好み焼きにも合う。その酒がフランスで開催される日本酒品評会Kura Masterで、2019年にプラチナ賞、21年には金賞に輝いた。
また、充塡方法を改良し瓶内に炭酸ガスを残して、鮮やかな味を実現した。
兄弟二人三脚で醸す酒は、安浦町から世界へと羽ばたく。

新日本酒紀行「白鴻」
白鴻 四段仕込純米酒 赤ラベル」
盛川酒造・広島県呉市安浦町原畑44
●代表銘柄:白鴻 特別純米酒 緑ラベル、白鴻 辛口四段仕込、白鴻 純米大吟醸50沙羅双樹
●杜氏:盛川元晴
●主要な米の品種:八反35号、山田錦、中生新千本
新日本酒紀行「白鴻」
田んぼに囲まれた酒蔵 
新日本酒紀行「白鴻」
冬の朝、蒸し米の蒸気が上がる Photo by Morikawasyuzo
新日本酒紀行「白鴻」
蒸気が立ち込める蒸し場 Photo by Morikawasyuzo
新日本酒紀行「白鴻」
蒸し米は大切に手で運ぶ
新日本酒紀行「白鴻」

蒸し米は手で運び、自然放冷する、麹造り
新日本酒紀行「白鴻」
自然放冷し、適温にする Photo by Morikawasyuzo
新日本酒紀行「白鴻」
新日本酒紀行「白鴻」
麹造り Photo by Morikawasyuzo

https://www.diamond.co.jp/magazine/20243052023.html